食欲コントロールがダイエットの要
2015年01月15日
飽食の現代では目の敵にされているけど、体脂肪は飢餓に備えたセイフティネットなんですね。
狩猟採集に頼っていた大昔は、食べ物がまったく手に入らない日々が長引くことも珍しくはなかったんです。
そんなときは体脂肪を分解して、エネルギーを得て飢えをしのいでいたんだそうです。
ただ体脂肪が増え過ぎると体重が増えて生きるために必要なエネルギーが増えてしまいますし、動きが鈍くなって狩猟採集もおぼつかなくなります。
だからカラダには体脂肪が増え過ぎないように調整する仕組みがあります。
その中枢を担うのが、全身の脂肪細胞が分泌するレプチンというホルモンです。
体脂肪の蓄積度合いを決めるのは、摂取カロリーと消費カロリーのバランスです。
両者のエネルギー収支がプラスに傾くと余ったカロリーは体脂肪となって脂肪細胞に蓄積されます。
逆にエネルギー収支がマイナスになると、それを補うために体脂肪が分解されて減ります。
レプチンは全身の代謝をつかさどる脳の視床下部に働きかけることで、摂取カロリーと消費カロリーを調整するのです。
視床下部で食欲をコントロールするのは、神経細胞が分泌するアミノ酸化合物、神経ペプチド。
摂取量を増やす神経ペプチドにはNPYやAGRP、摂取量を減らす神経ペプチドにはαMSHやCARTがあります。
レプチンは摂食量を増やす神経ペプチドを抑えて、摂食量を減らす神経ペプチドを増やして食欲を抑えます。
同時にレプチンは視床下部にある自律神経の中枢を刺激します。
カラダの活動的に整える交感神経を優位にして、筋肉の代謝を活性化して消費カロリーを増量します。
エネルギー収支を赤字にして体脂肪を減らそうとします。
肥満とは単に思いことを指すのではなくて、体内に過剰に体脂肪が溜り過ぎた状態です。
体脂肪を減らすレプチンが本来の役割を果たしてくれたなら、誰も太ったりしないんですね。
レプチンが発見されたときには、レプチンを投与すれば肥満は速やかに解消されると期待されましたが、そんなに簡単なことではなかったんですね。
体脂肪が増えるほど、脂肪細胞からのレプチンの分泌も増えますが、太った人ではレプチンが分泌されても十分に聞かないレプチン抵抗性が起こることが分かったのです。
Posted by opiter4ds8 at 01:08│Comments(0)